春に尺八独奏曲 「甲乙」 で、京都三曲協会のオーディションに合格し、10月18日、三曲協会の鑑賞会に出演しました。 とても貴重な体験になり、本当に感謝しています。 当日は緊張もせず、平常心で演奏できたことが、何より嬉しいです。 オーディション合格発表後は、喜びは勿論ですが、当日に実力を発揮出来なければ、と密かに心配していました。 肝心な時に、人前での失敗を恐れる事は、多くの演奏家の悩みでもあるでしょう...。 しかし、そういう場面でこそ、精一杯やることで道は開けるのではないかと思います。 鑑賞会が近づくにつれ、緊張感も感じ始めたのですが、立派な舞台で、大勢の方々に自分の演奏を聴いて頂けるのだから、その瞬間を精一杯楽しまなければ、せっかくの機会が勿体無いと意識を変えたことにより、新鮮な気持ちで鑑賞会を迎えることができました。 独奏曲 「甲乙」は長い間研究し、何人かの先生にも色々アドバイスを頂き、仕上げてきた曲だからこそ、自信を持って演奏したいと思いました。 本番の一ヶ月前にも、現在師事している吉村蒿盟先生に演奏を聴いて頂きました。 「音色も綺麗で上手に吹いているが、本当の自分を出していないでしょう」、との先生の言葉でした。 つまり、自由な表現を楽しむ、遊んで欲しいところでも、安全運転をしているように聴こえると....。 その曲を、それまでに吹いたこともなかった吉村先生が、気軽にサンプルを吹き始める...。 譜面を見るのは初めてにもかかわらず、その演奏は今まで味わったこともない新鮮なムードを感じました。 こうでないといけないと言う決まりもなくて、単なる気持ちの表現だと、先生の演奏を聴きながら痛感しました。 私は、ある形に拘り過ぎた事に気が付いた、と言うよりも、目から鱗、と言う感じでした。 分かった!これからは、遠慮せず、精一杯遊ぼう! と意識を変えたことで、演奏の雰囲気が今までと180度変わりました。 いつも稽古を聴いていた茅原先生も、直ぐに新しいスタイルに気が付いたようです。 先生のアドバイスを信用して、新しい気持ち、新しい形でいざ出陣! 今までは正しく吹けたかな、と反省していましたが、今回は、気持ちを込めて吹けたのかと、自分の演奏を評価しています。
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